2019年01月14日(月)
侵襲性髄膜炎菌感染症 [診療]
土曜日はワクチンセミナー
テーマは「侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)」
(IMDについて詳しくはこちら)
「IMD」は進行が早く重症化すると後遺症が残ったり最悪の転帰をとることもある。咳やくしゃみなどの飛沫感染でうつる。
最初は高熱でインフルエンザのような症状でわかりにくいがあっという間に重症化してしまう。
まれな病気で、私も経験したことがないが、実際に日本でも、全寮制の学校などで集団発生が報告されている。今後、海外からたくさんの人が来たら、さらに増える可能性がある感染症。
講演Tの圀府寺先生のお話しでは、実際の患者さんの経過。写真をたくさん見せてもらい、その恐ろしさがひしひしと伝わった。幸い、不幸な転帰をとらずに軽快したそうだが、両下肢は皮膚移植が必要なほど大変な状態だった。
講演Uは中野先生のお話し
日本人の保菌率は0.4%だが、地域によってもっと多いところもある。この感染症のことを知らないではすまされない。
予防するワクチンがあるということを、ぜひ現場から情報を発信してほしいとこのことだった。
髄膜炎菌ワクチン(メナクトラ)は、患者さんが増えたことでアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどでは定期接種になっている。
日本では、まだ任意接種で費用もとても高い(当院では23000円)。
メナクトラは起炎菌となりやすいA,B,C,Y,W-135型のうち4つの血清型(A,C,Y,W-135)に対応している。B群には対応してないのが悩ましいが、B群のワクチンは日本にはなく輸入ワクチンとなってしまう。
しかし、寮生活をしている方、海外留学をするお子さんは是非メナクトラの接種をお勧めしたい。クラブの合宿も危険かもしれない。また発症が10代後半にピークがあることより、できれば11才以上のお子さんも接種を考慮して頂ければと思う。
ちなみに患者さんのピークは10代後半と40才〜70才代。
10代のワクチンとして大切なのはもちろんだが、大人のワクチンとしても接種が必要かもしれない。
Posted by さかざきひろみ at 18時50分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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