ツムラ29番
麦門冬湯（ばくもんどうとう）

このお薬のなかには、
麦門冬、半夏、粳米、大棗、人参、甘草の6種類の生薬が含まれている。

どんな時に効くかというと、

発作的にセキがでる
タンが切れにくい
のどが渇いて声がかれる
のどがパサパサしてイガイガする
口の中がかわく。

とにかく、乾燥した咳に有効。
このお薬は身体を潤す滋潤作用がある。

このような作用は西洋薬にはない。
逆に西洋薬の強い咳止めのリン酸コデインなどを飲むと口がからからに渇く。

麦門冬湯は咳以外にも、唾液の分泌が少なくなるシェーグレン症候群の方に投与されることもある。そういえば、センプク先生はアトピー性皮膚炎の乾燥肌の方にも処方されていた。
とにかく、乾燥症状に有効に作用する。

しかも、漢方薬なのに甘くてとっても飲みやすい。
私は、のどがイガッとしたら、すぐさま29番を飲んでいる。

これから、乾燥の季節。
29番大活躍しそう。

11月から小児肺炎球菌ワクチン（プレベナ-）が7価から13価に新たに変更になった。
以前このブログでも記事をアップした。（以前の記事はこちら）

小児肺炎球菌ワクチンが定期接種になって、肺炎球菌による重症感染症は大幅に減少した。
しかし、７価でカバーしきれないタイプの肺炎球菌による感染症が増えているのも事実で、それで、今回13価が導入された。

定期接種の方は、11月からは13価のワクチンを接種することになる。

すでに7価ワクチンで4回の接種を完了している方も13価ワクチンを１回接種すれば残りの肺炎球菌に対する免疫ができる（対象は6歳未満）。
ただ、残念ながら、この補助的追加接種は任意接種になってしまったので、費用がかかってしまう。（当院では8500円。）

しかし、髄膜炎や肺炎などの肺炎球菌による重症感染症をより幅広く予防するために、是非接種をおすすめしたい。
もちろん、他のワクチンとの同時接種もできる。

寒くなると、外来がバタバタと混み出す。
予約外で来院されると、1時間以上お待たせすることも。
予約していても朝早い時間はほとんど待ち時間はないのだが、診察終了間際だと、前からの診察がずれこんで待ち時間が長くなることもある。
ほんとにすみません。

にもかかわらず、今日土曜日は比較的スムーズに進行していた。
このまま終わるかと思いきや、終了間際にアナフィラキシーのお子さんが来院。
もともと、乳アレルギーがあり、以前にもアナフィラキシーをおこしたことがあるので、完全除去されていた。
それが、今日食べた塩ラーメンに乳成分がはいっていたそう。
食べている途中で、のどが痒くなり、じんましんがでて、喘息発作も出現。、
自宅で、エピペンを使用されたが症状が軽快しない。

順番をとばして、すぐに診察。
顔はじんましんで赤黒く、喘鳴がひどく呼吸困難があり、酸素飽和度は８８％、心拍数は200近い頻脈。
全身にじんましんがあるので、不機嫌に掻きむしっている。
自宅で、エピペン投与して15分以上経過していたので、再度アドレナリンを筋注し、酸素投与、ステロイドの点滴。
その間、他の診察はストップ。
診療再開しても、しょっちゅう状態を見にいくため、なかなか診療はすすまない。
外来が終わらない。
こんな時に限って、看護師さんが一人だったので、彼女もアナフィラキシーのお子さんのバイタルをとったり、他のお子さんの点滴を抜きにいったり、浣腸したりと大忙し。
それでも、彼女は全く慌てずに淡々と仕事をこなしてた。

他のスタッフも色々手伝ってくれた。
チームワークのよさに感激する。皆ありがとう。

アナフィラキシーのお子さんは、1時間ほど経過をみて状態がよくなり帰宅することができた。
ほんとによかった。

たまたま帰宅するときに外で出会ったら車の中から元気に「さかざきせんせーい」と呼んでくれた。元気で可愛い笑顔をみると疲れもふっとぶ。

それにしても、アナフィラキシーが続くなあ。
シリンジタイプのアドレナリン、使いやすい。
常備しといてよかった。