2009年01月24日(土)
インフルエンザ警報 [診療]
インフルエンザが猛威をふるっている。
殆どがA型で、感染症情報によるとA香港型らしい。
しかし、西区の一部の地域ではB型で学級閉鎖になっている。
残念ながらインフルエンザワクチンを接種したお子さんも罹っているが、接種してない方に比べて、非常に軽症な感じがする。やはりインフルエンザワクチンはとても大切だ。
さらに今シーズン流行しているインフルエンザはワクチン株が有効とのことだ。
治療については、様々だ。
@タミフルやリレンザ(5歳以上に適応がある)の抗インフルエンザ薬のみ
A抗インフルエンザ薬と漢方薬
B漢方薬のみ
C何もなし
もちろん、何も処方しなくても元気に治っているし、
また、タミフルはまずいので飲めなかったお子さんもいる。
また1歳未満と10代のインフルにはタミフルは使いにくい。
一般的な治療はタミフルやリレンザだけど、実際漢方薬を併用したほうが、すっきり治る感じがする。
麻黄湯はタミフルと同等以上の効果があるという報告もあるぐらいだ。
麻黄湯は、インフルエンザだけでなく、高熱のウイルス疾患すべてに有効で、実際抗インフルエンザウイルス作用や、ウイルスがだすサイトカインを抑制する効果もある。
高熱ですぐに外来にきて、インフルの検査をしたが、検査時期が早すぎて陰性。
しかしインフルが非常にあやしい。
麻黄湯を処方して、翌日解熱。
念のため翌日検査したところインフルA+のお子さんもいた。結局漢方薬のみで治癒。
ただ小さいお子さんは、タミフルDSもとってもまずく飲みにくいのに、さらに漢方薬も飲めとはちょっと言いにくくて飲めそうにないお子さんにはすすめにくい。
錠剤が飲める大きなお子さんの場合は葛根湯なら錠剤があるので麻黄湯より少し弱いが、リレンザ+葛根湯の錠剤を処方している。
これが結構、好評だ。
他にも、インフルエンザのあとの微熱、ひどい咳、だるさ、食欲不振などにも効く漢方薬がたくさんある。
タミフル耐性ウイルスに対しても、作用機序が違うので漢方薬の効果は期待でき、また新型インフルエンザの治療にも注目されている。
もし私や私の家族がインフルエンザに罹ったなら、リレンザ+麻黄湯、
私の場合は即刻治したいので大青竜湯か。
主人は虚証なので麻黄湯でなく葛根湯か、疲れ果てていたら麻黄附子細辛湯か。
2年前娘がB型インフルに罹って非常に辛かったが、その時漢方薬について知っていたらもっと楽にしてあげることができたのにと後悔している。
皆さんも、インフルエンザなんか罹らないにこしたことはないが、もし罹っても、お母さん方と話をして、その子にとって一番いい治療を考え、少しでも早く元気になってほしい。
Posted by さかざきひろみ at 17時45分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
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コメント
はるかちゃんはまだ1才9ヶ月、ということは、ママ年齢も1才9ヶ月です。お子さんの色々な出来事にとても心配になるのは当然なのです。でも、ひとつ病気をするごとにはるかちゃんは強くなり、そしてママも成長していくのです。それまで、私でよければアドバイスさせて下さいね。
私の好き勝手なブログを、そのように言って頂いてありがとうございます。時々もう少しまじめな事を書いたほうがいいかなあと思いながら、できずにいる私です。
いつもブログ見てますと外来でお母さん方に言われるたびに実はとても恥ずかしいのです。
インフルエンザの予防接種をしているからといって、安心しててはだめですね。私は精神的に弱いのでちょっと娘が元気がなかったりするだけで、焦ってしまいます。熱性ケイレンを起こしてから更に神経質になってしまったかも。年末の帰省中に高熱を出した時も、先生にお電話してアドバイス頂いたり、今日(28日)も熱が少しあるくらいでどうしようか電話してアドバイスを頂いたり・・・ダメですね・・・
先生の言うように様子を見ていたら、熱が平熱に戻りました。慌ててケイレン止めを入れなくて良かったです。
これからも色々とアドバイスをお願いするかもしれませんが宜しくお願いします。
ps.先生方の書いてくれるブログが私にはとても心強いです。