2023年11月28日(火)
34番白虎加人参湯 [漢方製剤]
びゃっこかにんじんとう
白虎というのは神様の名前。
中国の神話にでてくる方角の4つの神様。
東は青竜、西は白虎、南を朱雀、北を玄武。
生薬の石膏が白いから白虎という名前がついたそう。
石膏は硫酸カルシウムで、生薬のなかで一番冷やす作用が強い。しかも潤す作用がある。
夏場で運動部で激しい運動をしているときは、熱中症予防に五苓散+白虎加人参湯をおすすめしている。
実際この薬をお湯にとかして、冷やしてのむと、のどのところがひやーっとする。
夏場のランやダンスに欠かせない。
しかも錠剤があるのでとても便利。
また、この薬は陽明病というステージに使う薬。
高熱が続き、なかなか解熱せず、喉がかわき、汗をかいているときにも処方できる。
寒いときに、ちょっと季節外れの冷やす漢方薬の紹介でした!
Posted by さかざきひろみ at 19時17分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2023年11月07日(火)
㉝大黄牡丹皮湯 [漢方製剤]
33番、だいおうぼたんぴとう。
桂枝茯苓丸タイプで、便秘がある場合には61桃核承気湯。
それでも、便秘が解消されない、症状がすっきりしない場合に、大黄牡丹皮湯の出番がある。
保険適応病名は、
体力があり、下腹部痛があって、便秘しがちなものの次の諸症:月経不順、月経困難、便秘、痔疾。
右下腹部(ちょうど盲腸のあたり)に圧痛があると大黄牡丹皮湯。
左下腹部の圧痛には、桃核承気湯とも言われている。
大黄と芒硝は下剤。
桃仁と牡丹皮と大黄は駆瘀血作用があり、滞っている血液の流れをよくする。
さらに冬瓜子(とうがん)は、排膿作用。
桃仁以外はすべて、冷やす生薬。
昔の人は、虫垂炎に、この大黄牡丹皮湯を投与していたらしい。
現代では、もちろん外科的対応になるけれど、例えば、保存的に抗生剤投与で経過を見る場合、この薬を一緒に投与するといいかもしれない。
Posted by さかざきひろみ at 18時35分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2023年10月24日(火)
㉜人参湯 [漢方製剤]
にんじんとう。
これは冷えて元気がない人の胃腸症状のお薬。
ちょっと難しいけど、
人参湯の乾姜を生姜に変えて、大棗と茯苓を加えたら75四君子湯。
さらに、それに陳皮と半夏を加えたら㊸六君子湯。
冷えのある人の胃もたれには、六君子湯を使うことが多く、人参湯はほとんど処方していない。
四君子湯は錠剤があるので、粉薬がどうしても飲めないときに。
人参湯は、乳児期のお子さんの下痢が長引くときに処方している。
ただ、ほとんどの漢方薬は乳糖を賦形剤として含むことが多い。乳糖不耐症で下痢している場合には、微量でも乳糖を含まない方がよい。
色んなメーカーがあるが、東洋薬行だけが、乳糖を含んでいないため、そのメーカーの人参湯を処方している。
Posted by さかざきひろみ at 19時15分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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