2025年04月03日(木)

舌痛症 [漢方薬]

舌痛症はなかなか治らなくて難しい。

これは、舌に痛みを感じる疾患で、口腔内灼熱症候群(バーニングマウス症候群)とも言われる。
舌の痛みはピリピリ、ひりひり、ちくちく、焼けるような痛みなど、さまざまで、舌の見た目は特に異常がないことが多い。

原因もはっきりしたものがないが、特に女性の場合は更年期前後におこりやすいと言われている。
ストレスが原因ともいわれている。

西洋医学的には、鎮痛剤や抗精神薬、認知行動療法など。
 鉄欠乏貧血や亜鉛欠乏が関与している時は、その補充。

東洋医学的には炎症が強いときは熱をさます薬、乾燥して潤いが足りないときは潤す漢方薬を処方する。

㉞白虎加人参湯:舌の熱をさます。
㉙麦門冬湯:舌の乾燥があるときに、潤す。
M半夏厚朴湯:痛いという不安からさらに痛みが悪化するとき、喉の閉そく感があるとき
K柴胡加竜骨牡蠣湯 不安とイライラをおさえる。口の中が苦いときは柴胡がはいったものがいい。
110立効散:痛みをとる麻酔効果がある。どちらかというと対症療法だけど、以前これでましになった方がいた。

先日のカンファレンスでは様々な意見がでた。
麦門冬湯+桔梗石膏(潤しながら熱をさます)
抑肝散加陳皮半夏(ストレス緩和)
加味帰脾湯(新見先生がよく使う処方)
若い人には加味逍遙散、高齢者には人参養栄湯(若い人は熱をさましたほうがよく、高齢者は潤したほうがよいとのこと)

これが効くというのは、なかなかないけれど、漢方薬は人によって症状や体質に合わせて処方できてたくさんの選択肢がある。
奥が深い。

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Posted by さかざきひろみ at 19時04分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2025年03月25日(火)

花粉症にも漢方薬 [漢方薬]

西洋医学的治療でも花粉症の症状がいまいちのときや、どれを飲んでも眠くなるようなときはぜひ漢方薬治療をおすすめ。

即効性もあるし、なんといっても眠くならない。
しかも、体質や症状によって薬を選べる。

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水様性の鼻水がぽたぽたで、くしゃみがひどく何箱もティッシュを使ってしまう場合はR小青竜湯。
華奢て冷えが強いタイプには127麻黄附子細辛湯。
さらに冷えが強い場合は、小青竜湯+麻黄附子細辛湯が効く場合も。ただ、お子さんは麻黄附子細辛湯を処方することは少ない。

鼻水ぽたぽたより鼻閉のほうが強く、ねばっこい鼻水のときはA葛根湯加川芎辛夷。

とにかく鼻が詰まって息ができない、目が腫れてパンパンのときは㉘越婢加朮湯。

どれもだめなときは、R小青竜湯+95五虎湯。
これは、故今中先生が虎竜湯と命名した花粉症に著効の漢方薬。

あと身もだえするほどひどい症状のときは大青竜湯(㉗麻黄湯+㉘越婢加朮湯)という方法もある。これはよほど体力がある場合、筋肉がっちりのスポーツマンタイプの方用。

どれもエフェドリンが主成分の麻黄が含まれる。
小青竜湯、葛根湯加川芎辛夷は3g
麻黄附子細辛湯は4g
越婢加朮湯6g
虎竜湯は7g
大青竜湯は11g

麻黄は含まれる漢方薬は、お子さんは大丈夫だが、高齢者や胃腸が弱い人はドキドキしたり眠れなくなったりする副作用があるので要注意。
そんな場合は小青竜湯から麻黄をぬいた119苓甘姜味辛夏仁湯という処方もある。妊婦さんにもこちらがよい。

他にも目がかゆすぎてひどく越婢加朮湯でもだめなときは、強力な抗炎症作用があるN黄連解毒湯。
顔が真っ赤な時は58清上防風湯。

鼻症状がひどすぎて副鼻腔炎になってしまったときは、104辛夷清肺湯。これが無効なら50荊芥連翹湯。
荊芥連翹湯は解毒証体質を改善する。
ただ、黄連解毒湯、辛夷清肺湯、荊芥連翹湯はまずくて苦いラインナップ。

ちなみに小青竜湯、葛根湯加川芎辛夷、麻黄附子細辛湯、五虎湯、黄連解毒湯には錠剤もある。
粉薬が苦手な方にもぜひ。

漢方薬はレパートリーがたくさん。

Posted by さかざきひろみ at 18時54分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2025年02月27日(木)

今年も [漢方薬]

今年の第8回日本小児漢方懇話会フォーラムのちらしが完成。

7月6日(日曜日)東京四谷の主婦会館プラザエフにて開催。
現地+ライブ配信、さらにオンデマンド配信もある。

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定番の水色ベースの可愛いちらし。

今年のメインテーマは「思春期」

特別講演は、飯塚病院の吉永亮先生。
 思春期のさまざまな不定愁訴を漢方薬を駆使して治療されているとのこと。
また、月経関連の漢方薬のお話を関西医大の梶本めぐみ先生に。

さらにシンポジウムは、
東邦大学医療センター大森病院の千葉浩輝先生、
きりんかーむクリニックの尾崎 裕彦先生
鶴岡市立荘内病院、小児外科漢方界のドン 八木実先生

午前中のミニシンポジウム、ミニレクチャーも素晴らしい先生方が講演を引き受けてくださった。

とっても面白い内容になっている。
ぜひとも多くの先生方にご参加していただければと思う。

7月まできっとあっという間。
会の運営がうまくいくように、今年も私は裏方に徹して頑張りたい。

Posted by さかざきひろみ at 19時21分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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