2026年02月12日(木)
五苓散セミナー [漢方薬]
2月から五苓散セミナー。
全部で8回シリーズで、私は小児科領域担当。
もし漢方薬でなにかひとつだけしか使えないとしたら......
私は間違いなく五苓散を選ぶ。
小児科領域で処方する場面も多いし、何より私自身が五苓散でとても助かっている。
先日、1回目の薬理作用編で磯濱先生のご講演を拝聴した。
以前、小児漢方懇話会でもご講演を聞いたことがあったが、さらにバージョンアップされている。
五苓散は水のバランスが悪い水毒の状態に有効。
以下のような症状によく効く。
他にも飛行機での耳痛や熱中症予防にも。
月経前のむくみにとってもよく効いた方もいた。
五苓散は利水剤といわれている。
いわゆる西洋医学の利尿剤は、浮腫でも脱水でも利尿作用がある。
ところが利水剤は浮腫のときだけ尿を排泄し、脱水のときは尿を排泄しない。
身体の細胞膜にあるアクアポリンという水チャンネルに作用して、細胞レベルでの水の出し入れを調整し細胞がむくんでいる時は水を外に出し、細胞の水分が足りない時は水を内に入れ、細胞内の水分量をちょうど良いバランスに保つ。
五苓散は主に脳にあるアクアポリン4の作用を阻害して脳浮腫が起こるのを抑制する。
また内耳蝸牛のところにもアクアポリン4が分布しており、それを阻害することによって、前庭神経が興奮するのを抑制する。
それによって、頭痛に効果がある。
また現在脳外科領域で、脳浮腫や慢性硬膜下血腫などに臨床応用されている。
また、消化管にあるアクアポリン3にも作用する。
胃腸炎がおこると消化管のアクアポリン3が低下するため、水分吸収ができず下痢になってしまう。五苓散はアクアポリン3の低下を防ぎ、腸内水分吸収を促進するため下痢が軽快する。
来週が、小児科領域での講演。
この1剤だけで、30分も話せるかなと思ったが、結構色々話すことはあった。
その前に今週日曜日は日本外来小児科学会生涯セミナーでの講演。
Posted by さかざきひろみ at 18時26分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2026年02月10日(火)
92番 滋陰至宝湯 [漢方製剤]
じいんしほうとう。
陰を滋養するのに宝のような効能があることから命名された。
滋陰というのは、陰を潤すという意味で、発熱や炎症による脱水や低栄養状態、貧血などを改善するという意味らしい。
なんか難しいけど、身体の水分がたりなくなって乾いた状態を潤すという意味でもある。
13種類の生薬から構成されているけれど、
よく見たら㉔加味逍遙散と少し似ている。
加味逍遙散から山梔子と牡丹皮をぬいて、
+香附子+陳皮+麦門冬+貝母+知母+地骨皮。
そういえば、千福先生が加味逍遙散のデラックスバージョンと言われていた。
乾いた咳がひどくて、体力が低下しているけど、イライラしてうつっぽくなっているときに処方するイメージ。
小児科領域では出番がない薬。
また咳の漢方のファーストチョイスでないけれど、慢性化して色々無効なときに知っておくと便利かもしれない。
Posted by さかざきひろみ at 19時11分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2026年02月08日(日)
インフルエンザAとB
先週1週間はインフルエンザBが多いが、A型もちらほら。
よく「AとBとどっちがしんどいんですか?」と質問される。
一般的には、インフルエンザAの方が高熱と全身倦怠感や関節痛などの全身症状が強い。
また、感染力も強く重篤な合併症を起こしやすい。
一方インフルエンザBは、A型と比べると若干穏やかな傾向。
発熱は37度台から38度程度と緩やかであることが多い。
また、嘔吐や下痢などの消化器系の症状がでやすいと言われている。しかし、個人差が大きく、B型でも重症化するケースは十分にある。
結局は個人の体調や免疫力によってBの方がしんどかったということもある。
流行時期は、最初にA型が流行して、後れてB型が流行する。
さらに今年は両方かかっているお子さんも多い。
12月にA型、1月にB型。
1月にAもBもかかってしまったケースもある。
また、インフルエンザワクチンが効きにくいのはB型と言われている。
インフルエンザの検査は熱がでてすぐだと陰性になることが多い。
熱がでて、最低でも12時間以上経過したほうがよい。
ところがB型は前日に高熱がでても翌日解熱してしまって、そのまま登校、登園していることもある。
そのまま治ってしまっているケースもあるよう。
翌日解熱しても、念のためといって来院された方でBと診断できるお子さんも結構多い。
これから受験シーズン。
インフルエンザはかかりたくない病気のトップ。
予防はワクチンが一番大切だけど、さらに十分な睡眠とバランスのとれた食事も重要。
今日は、大阪でも初雪。でもすぐにやんでしまった。
そして、蘭子ちゃんからも山形鶴岡のお土産。
どれもとっても美味!
Posted by さかざきひろみ at 19時13分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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