2013年12月07日(土)
アデノウイルス [クリニック情報]
今週は、アデノウイルス感染症がとても多い。
ある幼稚園と保育所ではアデノウイルスが大流行。
お熱がでて翌日来院され、「園でアデノが流行しているので。」確かに、目は少し充血している。しかし咽をみても、扁桃に白苔などなく、臨床的には、まだアデノっぽくない。
園での流行の情報がなければ、検査などしないのだが、とりあえず検査してみると陽性。そんなお子さんも多い。
熱が4−5日続き、他院で抗生剤処方されているが、熱が下がらない。お子さんは比較的元気で、咽をみると扁桃にべったり白苔がついている。これはもう臨床的にもまちがいなく、検査するとやはりアデノ陽性。
どちらにしてもアデノはウイルスなので、効く薬もなく経過をみるだけになる。しかし、診断をつけてあげると、抗生剤もいらないし、熱が続いてもお子さんが元気ならお母さんも安心して看病できる。(アデノウイルスについて院内でお配りしている説明用紙を下記にupしておきますね)
ほかには、溶連菌感染症。
これが流行している園もあるが、今週は小学校の高学年の方の咽頭痛と頭痛で陽性のことが多かった。
ウイルス性腸炎は、全体的に増加中。ただ、下痢だけだったり、嘔吐だけだったり、比較的軽症のお子さんが多く2−3日で軽快している。
インフルエンザもB型が1例だけ。インフルエンザは年内は大丈夫のよう。
アデノウイルス感染症について
アデノウイルス感染症は、様々な症状を示す急性感染症です。 アデノウイルスには 51 種類の亜型があるので、何回もかかります。
感染経路
主に唾液などの飛沫により感染しますが、涙・鼻水・便なども感染経路となります。
潜伏期間 5−7日
アデノウイルスにおける主な臨床疾患
T.咽頭結膜熱 (プール熱)(主に 3・4型) 高熱が3〜7日持続し、扁桃腺が腫れ、のどの痛みを訴えます。両目または片目が真っ赤に充血し、目やにが出ます。その間、頭痛、腹痛や下痢を伴うこともあります。 夏にプールを介して流行することがあるため、プール熱とも呼ばれていますが、プールに入らなくても飛沫や糞便を通して感染します。
U.扁桃腺炎
扁桃腺に膿がつき、高熱が3〜7日間続くことが多く、血液検査では白血球が増えて血沈・CRPなどの炎症反応が強く、細菌感染と区別がつかない場合があります。
V.流行性角結膜炎 (主に 8型)極めて感染力が強い
結膜だけでなく角膜(黒目)の著明な炎症 、 頭痛、リンパ節炎、鼻水、咽頭炎、下痢、 眼の痛み、 異物感、羞明、涙目、目やにを訴え、他覚的には濾胞性結膜炎があり、一側又は両側性にみられます。結膜炎経過後に点状表層角膜炎を作ることが多いです。幼小児では偽膜性結膜炎になることがあります。
W.胃腸炎 (主に 31・40・41型)
乳幼児期に多く、腹痛、嘔吐、下痢を伴います。発熱の程度は軽いです。
X.出血性膀胱炎 (主に 11型)
排尿時痛と肉眼的血尿が特徴です。これらの膀胱炎症状は2-3日で良くなり、 尿検査も2週間以内に改善します。
Y.上気道炎 気管支炎 熱、鼻水、咳、のどの痛みなどを主な症状とするいわゆる‘カゼ'の原因になります。時に高熱、悪寒、頭痛、筋肉痛などのインフルエンザ様症状を起こすこともあります。
診断
病因ウイルスの検索には、咽頭ぬぐい液、結膜擦過検体を用いた迅速診断キットで確実に診断できます。
治療
特効薬はなく抗生剤も効きません。 治療は対症療法を行います。高熱で痛みのある時などは、解熱鎮痛剤の内服や坐薬を使います。眼の痛みや赤みが強い時、眼脂が多い時には、細菌などの2次感染を予防する抗生剤や、炎症を抑える目的で抗炎症剤(ステロイド剤)の目薬を使います。脱水や食欲低下に対しては、点滴を行います 。
家庭で注意すること
@兄弟や家族の間で、タオルや食器の共有は避け、別々にしましょう。唾液や、鼻水、涙によりうつりますので同じ鍋や大皿をつついたりするのは止めましょう。
Aアデノウイルスは 55 ℃、 30 分で失活します。また、キッチンハイターへ 2 時間 浸け置きしても消毒できます。
B高熱が出たりひいたりが5日間続きます。熱のひいているときは比較的元気です。この時に、シャワーを浴びたり、欲しがるものを食べましょう。
登校(園)のめやす
ウイルスの排泄は、眼・咽頭からは2週間、糞便へは 3 〜4週間と長期間にわたります。出席停止で感染を予防することは困難ですが、 主要症状消退後2日を経過するまで 出席停止となります。
Posted by さかざきひろみ at 20時59分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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