2019年06月02日(日)

いつまでも笑っていて

認知症だけど、ずっと落ち着いていた父。
それが、4月中旬に急に壊れた。
突然暴れて、家中の物を壊し、ガレージの柵も外して投げた。風呂のドアも壊した。
私は診療中で、すぐに駆けつけることができなかった。
自宅に行った時は、すでに落ち着いてが、母のことが許せないと。認知症の人は、一番身近で世話をしてくれた人を敵と思って攻撃することがよくあるそう。
妄想で母の姿をみたら、急に怒り出す。
暴れ方がひどいので、医療保護入院が必要で入院になった。
受け入れ病院を探すのもほんとに大変やったらしい。

花見に行こうと妹と二人で連れ出し病院に連れて行った。
入院はいややと暴れるかなと思ったが、その後はずっと静かで大人しい。だけど、母には会いたくないし、許せない。なぜか離婚を決めたと言い張っていた。
認知症病棟は、入口も鍵がかかっていて、皆うつろな顔して座っている。父をこんなところに入れてしまった、自分に嫌悪感。
すべてを捨てて父を看護したいと思ったが、やはり私は冷たい人間。自分のことが大切なのだ。
病院で、何かあっても蘇生しない、暴れたら拘束してもよいという同意書に平気でサインできた。

こういうところで落ち着いて、退院できるのは2-3か月かかるってケースワーカーさんに言われた。仕方ないってわかっているが、医師でもあった偉大な父がこんな姿になって、ほんとに可哀想で。とても辛く、新見先生の「死ぬならボケよりがんがいい」って本があるのだが、その気持ちが初めてわかった。

私は仕方ないと諦めてたが、妹は「早くここから出してあげたい」と主治医に話してくれたり施設を探してくれたり。
おかげで、2週間ほどで自宅近くの施設に入れることになった。ほんとに妹のおかげや。確かに、病院は遠かったので面会に行くのも大変やった。

施設は病院とは違って、とても綺麗。
お部屋も明るい。
介護の方たちはとても親切で良い方ばかり。
だけど、やっぱり母には会いたくないって。
場所は自宅から近くなったが、認知がどんどん進んでいく父にあうとやはり辛い。それでも、私や妹のことはわかるので、二人で交代して毎日会いに行った。
父が落ち着いていたら嬉しいし、ぼーっとしていたら悲しい。

きっと、人は両親の介護のストレスで、心身ともやられてしまうのだろう。私は、多分客観的に見ているところがあるし、守るべきものがたくさんある。そして、きっと心が冷たいのだろう。心身のバランスを崩さずに毎日を過ごしている。学会や旅行にも普通にいって楽しめる。

施設に入って、1ヵ月。
少し落ち着いたので、思い切って今日、母を連れて行った。
もし、父が暴れたらすぐに離れたらいいと思った。
しかし、父は母を見るなり、
「どこへ行ってたんや。ひとりで大変やったやろう」と
母の手を握って抱きしめたのだ。
父もいつもよりしっかりして、いい表情。
妹と二人とても感動した。

だけど、このままが続くとは思えない。
また悪いときもあるし、いいときもあるだろう。
それを受け止めながら、見守っていきたい。

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これは、父が病院に入院していた時、外出許可をもらって、カフェに行った時の写真。
美味しいコーヒーとスイーツで父も嬉しそう。
一緒にピースしようと言ったのだが、できなかった。
今も、ほとんどいつも無欲状顔貌で無表情。だけどたまに笑ってくれる。
今日も、すこし笑ってくれた。
母にも会えたし、父が、少しでも笑ってくれる時間が増えますように。

Posted by さかざきひろみ at 17時53分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2019年06月01日(土)

6月 [クリニック情報]

今年も百合の花が素敵。どんどん成長。
バラの花も大きくなった。

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外来では、熱のお子さんが多い。

急に発熱
@翌日、解熱して手足に水泡→ 手足口病
Aのどに水泡があるけど、手足にでない→ヘルパンギーナ。
 これらは、同じウイルスて手足口病になったりヘルパンギーナになったり。どちらもポイントは喉が痛いけど、水分がとれるかどうかが大切。
B咽が真っ赤→溶連菌の検査が陽性。抗生剤が必要
Cただ、熱だけがでてそのまま解熱→夏風邪
D熱が4-5日、扁桃に白苔、目やに、ちょっと下痢したりもあり→アデノウイルス
E最初は熱だけ、3日ぐらいして咳がひどくなる。
RSウイルスっぽけど陰性でヒトメタも陰性。熱は4-5日続く。喘鳴がひどくなって呼吸困難で入院したケースはパラインフルエンザだった。しかし、ほとんど皆さん比較的元気。
熱が4-5日も続くので血液検査をするけれど、白血球も炎症反応も低い。パラインフルエンザって、普通は診断できないけど、おそらく現在これが流行している。

結局、溶連菌以外は抗生剤は無効で、もちろん不必要。
対症療法だけ。または飲めるお子さんは色々な漢方。

他には、感染性胃腸炎が多い。
あちこちの学校や保育園で流行している。
ノロウイルスの方もいるが、ノロがでたら大変で、陰性だったら、登園してもよいというわけでない。
どちらも、嘔吐下痢が収まるまで、しっかり食欲が戻るまで自宅でゆっくりしたほうがよい。上手な水分補給や食養生が必要。

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そして、少ないけどまだインフルエンザBもある。
学級閉鎖の高校や、学校外の運動チームなどで流行しているところもあるらしい。

そういえば、6月はいつも、感染症が多くなる。
気温も高いので、熱中症にも注意。

無理せず、休日はおうちでゆっくりするのがいいかな。

Posted by さかざきひろみ at 20時35分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2019年05月30日(木)

大切な睡眠

お子さんでも眠れない、寝つきが悪いなどの睡眠障害がある場合があり、時々相談される。
さらに、朝起きることができないお子さん。
これも、睡眠の質が悪い可能性がある。

お子さんにとって、睡眠が十分にとれていないと、発育発達に大きな影響を及ぼす。
もちろん、環境要因も大切だが、眠る力が弱い体質的な要因もあるそう。

お子さんにとって望ましい睡眠時間(米国睡眠医学会)は
生後4か月から11ヵ月 12−16時間
1−2才では11−14時間
3−5才10−13時間
6−12才9−12時間
13−18才では8−10時間 また大人は7−9時間とされている。
実際は、睡眠の質が良い人は、もっと短時間でも大丈夫。

厚生労働省健康局の健康づくりのための睡眠指針2014というものがある。

お子さんの場合は、朝起きたらすぐに日光を浴びる。
朝ごはんはとっても大切。
外で遊んだり、体を動かすことも大切。
就寝前3−4時間以内のカフェイン摂取は控える。
休日もいつもどおりの起床睡眠時間の方がよい。

そして、何といっても一番の問題はスマホやタブレット、パソコン。
寝る直前まで見ていると、良質な睡眠に必要なメラトニンが分泌されない。たとえ寝ても、睡眠の質がとても悪い。

できれば、寝る2時間前はしないほうがよい。
朝起きれずに学校を休んでしまう場合は、いっそのことスマホは辞めたほうがよい。
朝起きれない→学校を休む→暇なので1日中スマホやタブレット、ユーチューブ→夜眠れない
その悪循環。

私は睡眠時間をとても大切にしている。
そのために、何でも仕事は早めに片づける。
ぎりぎりになって睡眠時間を削るということだけは決してしない。
大人の場合は、ちゃんと眠るためには日頃から努力が必要だと思う。

良い睡眠は、身体も心も健康にしてくれる。

Posted by さかざきひろみ at 19時59分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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