2014年03月15日(土)
輸入麻疹 [診療]
麻疹風疹ワクチンの接種率があがり、また2回接種することで、日本での麻疹の流行はとても減っていた。
しかし、今フィリピンからの輸入麻疹がとても問題になっている。麻疹ワクチン未接種やワクチン1回接種の方がフィリピンに旅行し麻疹に感染して日本で発症している。
そして、そこから2次感染で麻疹が広がりつつある。
東京の大学病院では麻疹のため病棟が閉鎖になった。
麻疹は本当に怖い病気。
特効薬がなく、後遺症を残したり、最悪、死亡することもある。
私が医師2年目のときに、麻疹が大流行した。
麻疹肺炎で両側の肺が破れて人工呼吸器をつけたお子さん、麻疹脳炎で寝たきりになってしまったお子さんの主治医になったのは忘れられない。もう二度と麻疹の患者さんを診たくないというのは多くの小児科医の願いでもある。
はじめの症状は熱だけなので、麻疹と気付かずに、病院に受診してそこで感染が広がるおそれがある。
しかも、麻疹は空気感染なので非常に感染力が強い。麻疹風疹混合ワクチンを接種していない1才未満のお子さんが一番問題になる。
風疹の問題もまだまだおさまっていない。先天性風疹症候群の赤ちゃんも全国で40例で、これも非常にゆゆしき事態。しかも2013年に世界で風疹が流行したワースト3に日本が入っている。
1歳過ぎて、ワクチンを受けていないお子さん、また年長さんの2回目接種はは3/31までなのでできるだけ急いで接種をお勧めします。
さらに小学校1年生以上で麻疹風疹混合ワクチンを1回しか接種していない方もぜひとも接種をお願いします。
自分のために、そして周りの人みんなのために、麻疹風疹混合ワクチンを接種しましょう。
Posted by さかざきひろみ at 19時47分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 4 )
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コメント
日本でこれ以上、麻疹が流行しないように祈るばかりでなく、これからも積極的にワクチン接種を勧奨していきます。
早速のお返事ありがとうございます。
大阪でのはやり具合を見ながら
慎重に考えていこうと思います。
また接種の際はよろしくお願いいたします。(^m^)
本当にそうですよね。ワクチン接種したいのにできない場合があります。そのために周りの方全員がしっかりワクチン接種すると、接種できないお子さんを守ることができるのですが、現実はそうではないので流行がおこってしまいます。
大量ガンマーグロブリン療法のあとは、6ケ月は生ワクチンは接種できません。それは、すでに抗体があるので、接種してもしっかり免疫がつかないからです。その抗体が下がってくるのが6ケ月以降なのですが、なかには10ヵ月〜1年ぐらいかかる場合もあるので、10ヵ月あけたほうがよいと主治医の先生がおっしゃったのだと思います。この件に関しては色々な意見があるので、また主治医の先生としっかり話あって、またその時の麻疹の流行状況にあわせて決められたらよいかと思います。
さかざき先生いつもお世話になっております。
楽しくブログ拝見させていただいてます。
うちの子は昨年ガンマグロブリン注射を打って
1歳過ぎても風疹麻疹ワクチンを打てていません。
あと3か月くらい打てないのですが、兄弟もおり
幼稚園でもらってこないかと毎日ヤキモキしています。
上の子は1回打っています。
半年間はワクチンを打たないほうが良いと言われましたが
この前10か月くらいあけたほうが本当はいいと
定期検査に行った先生に言われ混乱しています。
1歳になったので、お外遊びや児童館にも顔を出すようになったので気を付けたほうが良いことなどあれば又
ブログで教えていただければ幸いです。
宜しくお願い致します