さかざKIDSブログ

2024年06月22日(土)

マイコプラズマ [クリニック情報]

今週も手足口病が増えている。

あとアデノウイルス、溶連菌感染症。
そして、久しぶりにインフルエンザA。
ちょっとびっくり。

大阪市の感染症情報は以下のとおり。
やっぱり手足口病がトップ。
新型コロナがじわっと増えている。

画像(320x195)・拡大画像(624x382)

他にも、マイコプラズマ感染症。
これは4年に1回、オリンピックの年に流行すると言われている。

マイコプラズマとは?
ウイルスと細菌の中間の性質と大きさを持つ病原体で、肺炎、気管支炎などおこすが上気道炎症状のみのお子さんもいる
感染経路 
@咳・くしゃみなどの飛沫感染
A病原体がついた手で目や口、鼻などを触ることによる接触感染
潜伏期間 2〜3週間。他の感染症に比べて長いのが特徴。

症状
とにかく咳がひどい!
(はじめ乾燥した咳→痰がらみの湿ったしつこい咳)外来で待っている間もとにかくずーっと咳がとまらない。また、咳は発熱から遅れて始まることも多い。

大きいお子さんでは熱もなく元気で、咳だけが続いていることもある。乳幼児はかかっても肺炎にならずにカゼで終わることが多く、 年長児の方が肺炎になりやすい傾向にある。
マイコプラズマになって、肺炎になるのは、全体の3-5%。
発疹がでることもある。

診断
迅速診断できる方法があり、クリニックでは主にこれを使用している。しかし、感度が低く偽陰性にでることも多い。
また、のどの奥を綿棒でゴシゴシするので、お子さんにとっては、辛い検査。本当に必要な場合だけに検査をするべきと思う。総合病院では、PCR検査があって、比較的早期でも診断できる。

治療
マクロライド系(クラリス)が第一選択。
耐性の場合は、オゼックスや9歳以上ならミノマイシン。
今シーズンは今のところ当院でクラリスが無効であったのは2例だけ。

軽症例に最初からミノマイシンやオゼックスなどのニューキノロン系を安易に使ってしまうと、さらに多剤耐性のマイコプラズマになる可能性がある。
また、ミノマイシンは9才未満の小さいお子さんは歯が黄色くなったりするので、使えない。
さらに、免疫反応が強く出てステロイドが必要な場合もある。
自然治癒例もあるのでお薬は慎重に選びたい。

Posted by さかざきひろみ at 19時11分   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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