2024年07月11日(木)
梅雨の漢方 [漢方薬]
梅雨時は、身体がむくみ重だるくなりやすい。
他にも、頭痛やめまい、はきけなどの症状があったり、なんとなく不調をおこしやすい。
東洋医学では水毒の状態。
水毒のある人の舌は、舌の辺縁に歯の痕がついて(歯痕舌)、舌が浮腫んで大きくなっていることが多い(胖大舌)。
また、お腹の所見で、腹部大動脈の拍動がよくふれる(臍上悸)、胃のところをたたくと、ちゃぽちゃぽ音がする(胃内停水)などが見られることがある。
漢方薬ではP五苓散が大活躍。
先日のオンライン勉強会でも、各クリニックで五苓散を処方する頻度が増えるらしい。
ある先生は、梅雨の朝には、五苓散を2包内服するとのこと。
五苓散は、身体の水のバランスを調整するくすりで利水剤ともいう。
利尿剤は脱水があっても尿量を増やすが利水剤は、脱水の場合は尿をださない。身体の中の水の分布を調整してくれる。
利水剤として有名なのは、
㊴苓桂朮甘湯:水のバランスをよくするだけでなく、精神安定作用もある。パニックなどにも処方される。
㉚真武湯:全身の冷えがあるタイプで下痢しやすい。
床にすいこまれそうなめまい。
㊲半夏白朮天麻湯:胃腸が弱く虚弱タイプ
補中益気湯が効く人で、頭痛やめまいがあるタイプに
㊵猪苓湯:頻尿など尿トラブルがある場合
㉛呉茱萸湯:片頭痛によく処方されるが、とってもまずい。
五苓散が無効で、胃腸虚弱で冷えが強いとき
㊸六君子湯:胃もたれと冷え、食欲不振
㉓当帰芍薬散:血のめぐりが悪い(血虚)と水毒タイプ
R小青竜湯:鼻水も水毒。鼻水が多く湿った咳をしている場合に。
ちなみにめまいの名言で、
『立てば苓桂、回れば沢瀉、歩くめまいは真武湯』
立ちくらみには「苓桂朮甘湯」を、天井がグルグル回るようなめまいには「沢瀉湯」を、そして歩行時のフワフワ感には「真武湯」。
沢瀉湯というのは、エキス剤にないので、五苓散で代用。
Posted by さかざきひろみ at 18時52分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
トラックバック
トラックバックURL
http://www.sakazakidsblog.com/tb.php?ID=3485