2025年02月22日(土)

外来状況 [クリニック情報]

今週、多かったのは感染性胃腸炎。
どちらかというと小学生が多く、しんどそうだった。
胃腸炎の原因は、ノロであってもロタであっても、他のウイルスでも対症療法になる。

ただ、ロタウイルスは、嘔吐や下痢がそれほどひどくなくても、とてもしんどそう。
さらに痙攣や脳炎などの合併症もあり重症化しやすい。
そのため、ロタワクチンが定期接種になった。
その後、ロタは大流行はしなくなったが、最初の1回目が生後14週6日までにしないといけないため、ワクチンの開始が遅れたなどの原因で接種されていない場合もある。
やはり生後2カ月になったら、すぐにワクチンが大切。

他には、RSウイルスが増えている。
これも、他の感染症に比べて、小さいお子さんにとっては、とってもしんどい。

RSウイルスはお子さんに対するワクチンがないが、重症化するリスクが高い赤ちゃんには、ベイフォータス、シナジスなどのRSウイルスの抗体の投与がある。

また、RSウイルスは生後6カ月未満、特に3カ月未満が重症化するため、それを予防するために妊婦さんにRSウイルスワクチンを接種して、その抗体を赤ちゃんに移行させて、赤ちゃんを守るという方法もある。
しかし、まだ認知度も低く、さらにとっても高価であるため、接種率は高くない。

そして、大阪でまた麻疹の発生
10歳未満で、ワクチン接種歴がなく海外渡航歴がある。
ロタもRSも怖いが、一番恐ろしいのは麻疹。
これこそ1歳になったらすぐにMRワクチン接種をお勧めしたい。

Posted by さかざきひろみ at 19時53分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2025年02月20日(木)

ホームケア [クリニック情報]

ウイルス性胃腸炎が増えている。

症状としては、突然嘔吐。
そのあと、熱がでたり下痢になったり、それでも2-3日で軽快することが多い。
前日から嘔吐しているお子さんは、すべて嘔吐して症状はすこしまし。朝から嘔吐が始まったお子さんはまだまだしんどそう。
そんなとき、一気に水を飲むと一気に嘔吐してしまう。
お母さんたちが「マーライオンみたいに吐きます」と言われることが多い。
ウイルス自身に効く薬はなく、いかに上手に水分摂取をするか、またその後の食事療法がとても大切になる

ウイルス性胃腸炎のホームケアは以下のとおり。

@吐いているときは、すぐに飲ませないのが大切。
 吐いてすぐに、ごくごく飲むと大抵全部吐いてしまう。
お子さんが、欲しがってもすぐにはあげないほうがよい。
ウイルス性胃腸炎での嘔吐は、悪いものを出してしまって胃を休めるという生体の防御反応なので、胃が空っぽになったらたいてい嘔吐はおさまってくる。だいだい嘔吐して2-3時間ぐらい。
A吐き気がおさまってきたら、OS1などのイオン飲料をスプーンでひとさじずつ、しばらくしてまたひとさじを少しずつ飲ませる。
このとき、塩分や糖分も補えるOS1が一番。
お茶や水、アクエリアスやポカリはおすすめでない。
お茶や水だけだと低血糖になる。
また、アクエリアスやポカリは糖分は多いが塩分が少ないので、嘔吐しやすく、また電解質のバランスが悪くなり、元気がでなくぐったりしやすい。
一番バランスのとれた飲み物はOS1。
「この子、OS1嫌いなんです」と言われることも多いが、脱水があるときは美味しく感じる。また、嫌いなら一気のみできない。薬と考えて、ひとさじずつ少しずつ与えることができる。吐いたあとに牛乳の欲しがる強者のお子さんもいるけれど、もちろん牛乳は嘔吐してしまうのでやめたほうがよい。
最近はOS1リンゴ味というのもある。
B嘔吐したその日は、無理して食べなくてもいい。
何とかイオン飲料を飲むことができれば、その後、スープや味噌汁など、そして翌日からおかゆやうどんなどの消化の良いものを少しずつ食べるのがよい。
この時、お子さんが欲しいからといって、からあげやカレー、たこ焼き、ポテトなど食べさせると、また嘔吐したり下痢がひどくなって症状は悪化する。
せめて2-3日消化のよいものをあげたほうがよい。

ウイルス性胃腸炎のホームケアは看護しているママも大変。だけど、うまくいけば、病院にいかなくても軽快する。
夜中に嘔吐して、すぐに救急にいくのは本人もしんどいし、家族も大変。

ただ、少量ずつOS1を飲んでいるのに、何時間たっても嘔吐がおさまらないときは、脱水で点滴が必要になったり、また胃腸炎でなく他の病気である可能性もあるので注意が必要。

Posted by さかざきひろみ at 19時27分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2025年02月18日(火)

しゃっくり [漢方薬]

しゃっくりは、吃逆(とぎゃく)ともいわれる。
横隔膜の痙攣と同時に声門が突発的にしまって、空気が入り込み特徴的な音を発する状態。

その要因は、
食べ過ぎや冷たい飲み物の摂取、
ストレスや過剰な興奮による自律神経の乱れ、
胃腸の不調や冷えなどがあると言われているがはっきりしたものはない。

私はさつまいもを食べるとしゃっくりがでることがある。

治すには、息をとめたり、水を一気のみするとか色々いわれているが確実なものものはない。

昔の人は柿のへたを含む柿蒂湯(していとう)がよいと言われていた。
さすがに、エキス剤にないし、柿のへたを集めるのも大変。

保険適応のエキス剤では
68芍薬甘草湯が第一選択。
これは、筋肉の痙攣を緩める作用がある。
冷えがある場合は、㉛呉茱萸湯
中に含まれる呉茱萸は、吐き気や嘔吐を改善する作用がある。 普段から冷え性の方が、何らかの原因でさらに体の芯まで冷えて、 吐き気やしゃっくりを生じる場合に使う。
お腹が鳴る、みぞおちがつかえる感じのしゃっくりやストレス関連の場合はM半夏瀉心湯
半夏瀉心湯はかつて吉田茂首相のしゃっくりの治療に使用されたことで有名。

私はしゃっくりがでることはほとんどないけど、
もしとまらないときは、芍薬甘草湯を50mlぐらいのお湯にとかして、さましてから一気のみするかな。

画像(180x240)・拡大画像(480x640)

冬の朝の月。
とっても綺麗。

Posted by さかざきひろみ at 17時46分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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